2015年12月24日

Cell Reportsの表紙イラスト

宮崎大学の西頭先生からご依頼いただいたイラストが
科学雑誌Cell Reports Volume 13, Issue 5の表紙に採用されました。
Cell Reportsの公式サイトにイラストの解説文(英語)があります。

CellRep表紙

それぞれの物質や役割をどう表現しようかな、と思案している時に突然思い出したのが
『蝦蟇の油売り』でおなじみの“和紙を日本刀で細かく切って紙吹雪にする”という、あの芸でした。
まさにプロテアソーム(=タンパク質を分解する酵素複合体)の動作にピッタリ!
というわけで、今回はメインで働く物質をお侍さん風に擬人化しています。

また、もう一つのポイントは折り鶴です。
リボソームによって合成されたばかりのタンパク質の多くは、
それぞれ決まった形に折り畳まれる(=フォールディング)ことで、機能を発揮できるようになります。
多くのタンパク質は、誰の助けも借りず、あるべき形になるよう自発的に折り畳まれますが、
中には(今回の論文にも登場する)シャペロンと呼ばれる、折り畳み係のタンパク質によって
折り畳まれるものもあります。プロテアソームに分解されるタンパク質を『紙』に例えたことで、
シャペロンに折り紙を折ってもらうという設定が、ここで上手いこと可能になりました。
“国際的に有名な折り紙のモチーフ”で“いかにも和風”といえば…鶴に敵うものはありませんよね。

なお、このイラストではちぎり絵風に見せるために、いつも通り墨汁で描いてはいますが、
主線として描いたものの内側を塗りつぶすような感じで、墨汁の線の輪郭だけを使用しました。
いつもとはちょっと雰囲気の違うイラストに仕上げています。


posted by ucchy at 01:21| Comment(0) | イラストのお仕事【科学】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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